お知らせ&行事

               「ニュートリノ超光速度問題」から学んだこと
     

  私は、2005年度立命館大学理工学部物理科学科を卒業し、その後、名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻へ進学し、博士号を取得しました。それからアカデミアという環境の魅力にひかれて、今現在も大学教員として物理学の最前線に居ります。
 立命館大学時代、もともと宇宙物理学や素粒子物理学をやりたくて福山武志教授の研究室(福山研究室)で素粒子論・宇宙論の基礎を学びました。もともと理論物理学にあこがれを持っていましたが、実際に自分で実験観測を行い、現象を理解したいという思いから(理論物理を研究としてやれるだけの力量がないということとを実感していたというのもありますが)、大学院は素粒子物理学の実験を行うため名古屋大学大学院に進学しました。特に、私は素粒子と宇宙の両方への興味から特に初期宇宙における宇宙の構造形成に強い関心があり、その中で最も重要なテーマである宇宙における「暗黒物質問題」に関する実験的研究を進めております。
名古屋大学に在籍時、私の主要な研究ではありませんでしたが、OPERA実験というニュートリノ振動実験に参加して(させられて)いました。この実験は、ニュートリノ振動という現象によってミューニュートリノからタウニュートリノへ量子力学的状態が移り変わる現象を直接検出することを目的としたもので、スーパーカミオカンデで最初に指摘したニュートリノ振動に関する直接検証というのが主要な目的でした。しかし、2010年、非常にざわつく結果が出されました。主目的であるニュートリノ振動の結果ではではなく、バイプロとしてのニュートリノの速度の測定についてです。
これは、技術的に非常に面白い測定で、GPSの技術を用いてニュートリノが発射された時間と到着した時間を精密に測定し、その間の距離との関係からニュートリノの速度を測るというものでした。そして、その測定を中心で行っていたフランスのチームが、ニュートリノの速度が光よりも速いかもしれないという結果を出したのです。OPERAグループ内がかなりざわつきました。そこから、ワーキンググループがつくられ、精密に結果の精査がなされました。しかし、なかなか問題点がみつからず、プレス発表することになったのです。その時のニュースを覚えておられる方も多いかもしれませんが、当然、光速度より速い速度で粒子が飛ぶことは特殊相対性理論から禁止されるわけですから、もしそれが本当であれば大発見です。しかし、その後、重大な実験上のミスが見つかり、結局ニュートリノは光速度と矛盾ない速度であるという結果で落ち着きました。その時の詳細をここで色々と話すつもりはないのですが、私にとってこの出来事は、それからの研究者としての意識を大きく変える出来事でした。
 引き続き、中竜大様の「ニュートリノ超光速度問題」から学んだことについての寄稿文は、12月発行の「すうぶつ会誌No,22」にて、さらに詳しく記載されています。ぜひ、ご覧ください。
 
 
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女子ソフトボール部 数理科学科4回生 戸田菜月さんの取材にいってきました。
 
                   
 ​                     戸田菜月さん バッティング練習
                                                                                  
 立命館大学体育会女子ソフトボール部は、「笑顔の向こうに勝利あり!」をモットーに部員19名が日々練習に励んでいます。数理科学科4回生の戸田菜月さんも「文部科学大臣杯第56回全日本大学女子ソフトボール選手権大会(通称:インカレ)」 (11月9日(火)~11日(木) 愛知県安城市にて)に向けて汗を流しています。コロナ禍でアスリートたちは思うように練習ができず、この取材も当初は8月に予定をしていましたが、やっと、10月12日(火)に実現しました。                                         
  当日は、右京区にある原谷グラウンドで9時からの練習にお邪魔をさせていただきました。「きびきびとした動き」で、「元気な声」が気持ちよく響くハツラツとした中にもひたむきに取り組んでいる練習風景に思わず拍手を送りたくなりました。
  出身地大分県から、立命館大学理工学部数理科学科に入学した思い、ソフトボールに出会うまでのいきさつ、学業との両立の苦労、卒業後の進路等々、12月発行の「数物会会報「すうぶつ」22号」で詳しく掲載する予定です。ぜひ、お楽しみにお待ちください。  
 
      
                                   原谷グラウンド 練習風景
 

 
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   現在、立命館大学硬式野球部の部員は167名(硬式野球部HPより)の大所帯。そんな大勢の中、理工学部在籍は一人、それも数理科学科、「微積もこなしプロを狙う、理系ピッチャ-」として、千坂優斗さんは、日々奮闘努力で頑張っています。数物会挙げて応援していけたらとの思いで、梅雨空のつかのまの7月11日(日)北区にある柊野総合グラウンドに取材に行ってきました。
 当日は、午前中大阪学院大学との練習試合、背番号15をつけてベンチ入り(投手登録はなんと45人、さすが強豪立命館大学ですね、層が厚い)、因みに、結果は11対4で大勝。残念ながら登板はなかったですが、ブルペンでの準備には余念がありません。
 出身地宮城県から、立命館大学に入学した思い、将来の夢、今大切にしていること、コロナ禍での苦労や唯一の楽しみ等々、12月に発行の「数物会広報誌NO.22」では詳しく掲載する予定です。ぜひ、お楽しみにしてお待ちください。

 
            千坂 優斗 さん                                 試合中はブルペンで待機
                
                               
       
                              柊野総合グラウンド     
   
                
                             
 
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第 75回 数物会本部運営委員会の報告 
開催日: 2021 年 4 月 17 日(土曜日) 13:00-16:00
開催場所:数理科学科談話会室 + zoom
1.2020 年度活動報告
各部より2020 年度の活動報告。
(1)広報
①「メルマガ」を毎月発行した。
②数物会報「すうぶつ」を 12 月 28 日に発送した。
③2020 年度の「数物会」「会報すうぶつ」「メルマガ」の浸透度・方向性を把握するためアンケートの調査を行い、アンケート調査の分析とその考察の報告。
④2021 年度の目標について報告。
*メールでの連絡がとれる方が少ないことが課題である。
*数学物理系の大学での情報の提供が期待されている。
*数学と物理の融合を取り上げてほしい。
など、他にいくつか建設的な提案がなされた。
*数学の学生が物理の講義を受講できるようになる予定であり、双方間の交流 が期待されている。
(2)企画
①2020 年度は対面のイベントを企画できず、オンラインによる勉強会のみ行った。
② 12 月12 日、第 17 回琵琶湖すうぶつゼミを Zoom を用いたオンライン形式で開催しました。大橋弘樹氏('87 物理卒)「AI・量子コンピューター・暗号技術の基礎数学 」
③2021 年新人歓迎会は中止の方向で検討中。
④「数学・物理まなびはじめ」 原稿を待っている状態。5月に発行予定。
(3)名簿管理
活動報告および 2021 年度活動計画について報告。
 
2.承認事項:
(1)2020 年度数物会活動結果と会計監査の承認
会計監査より、会計監査(支出内容適切性、記帳内容と収支正確性の確認)が行われ承認された。内容は、こちら
(2)2021 年度数物会活動計画と予算案審議と承認
①各部、支部より 2021 年度の活動(行事)計画案と予算案が説明された。
②提案された予算案が承認された。内容は、こちら
③前回までの運営委員会にて、総会費用は積立金として計上することを再度確認した。
(3)運用規定の変更について
会員の訃報を会誌に掲載することについて、運営規程を見直した。遺族の意向によっては訃報の掲載をしないという内容を運営規程に追記した。
(4)FAX機能を外部業者に委託していたが、数物事務室のFAXを使用することで、6 月頃を目処に解約の手続きを進めていく。
(5)交通費規定改正
前回の運営委員会で決定したことを反映し、改訂案を提案され、承認された。
3. 繰越金の考え方
繰越金を 400 万円程度まで下げることが提案された。どの程度まで下げるべきかという決断は今の段階ではしないということで合意された。予算の使い道について、今後も検討を続けていくこととする。
4.2023 年の総会の在り方
数物会総会についてのたたき台:総会の議題、総会時の行事について、確認を行った。次回の総会の方向性について、意見聴取を行った。継続して話し合いを行い、次回の運営委員会でも取り上げることとする。
5.世話人について
世話人が活動および機能していないため、あり方の見直しが提案された。2021 年 12 月に世話人会を招集し、方針や制度の見直し、および数物会会則第 12 条の改定を検討する。
6. その他  
(1)運営委員会のメンバーの異動をご本人の意向を確認して承認した。
   土田 浩 様   退任
藤島明彦 様    退任
鶴迫貴司 様    企画担当へ異動
土田さん、藤島さん、長い間ありがとうございました。
(2)事務員と名簿管理委託先会社との業務分担と費用について
今後の方針及び具体的な方法については引き続き議論を行うこととする。
 
7.次回数物会運営委員会の開催日程・議題の確認
  2021年7月
  次々回 2021年12月
 
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2021年4月 先生の異動

2021年04月07日(水)
2021年4月の先生の異動をお知らせします    2021年4月7日(水)
1. 新任教員
  数理科学科
   助教:平良 晃一
       助教:高橋 典寿
   助教:中川 卓也 
  物理科学科
   助教:長谷川 友里 
 
2. 退職された教員および異動先
  数理科学科
   助教:尾張 圭太  
   特任教授:辻下 徹
  物理科学科
   助教:光原 圭 → 立命館大学SRセンター
   特任助教:西中 崇博 → 大阪市立大学理学研究科
   初任助教:アミーナ A. A. F. → エジプトへ帰国
 
 3. 身分の異動
  数理科学科     なし
  物理科学科     なし
 
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2020年度の数物会賞が決定しました。
数理科学科2名、物理科学科3名の計5名の方が受賞されました。
おめでとうございます。

【数理科学科】
小島勇輝     「ホモトピー論」 (福本・野澤・多羅間 研究室)、
平野貴稔     「確率論とその応用」 (赤堀研究室)

 【物理科学科】
片岡 拓郎    「回転する猫じゃらしの分岐現象」 (和田研究室)
宮内 優綺    「興奮性FitzHugh-Nagumo反応拡散系の自励振動状態」
                  (清水研究室)
柴原 ななみ 「Unityによる転がるサイコロのシミュレーションと出目のランダム
                  ネス」(清水研究室)

      歴代の受賞者一覧はこちらをご覧ください。
  
 
 
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  去る12月12日、第17回琵琶湖すうぶつゼミを Zoomを用いたオンライン形式で開催しました。
本学OBである大橋弘樹氏('87物理卒)をお招きし、「AI・量子コンピューター・暗号技術の基礎数学 」
という演題で、ご講演頂きました。

  昨今話題の「AIやデータサイエンスに関わる数学」について、ご自身がお勤めのマイクロソフト社で結成されている「数学クラブ」でのお話を交えながら、ご講演頂きました。幅広い参加者層にも分かり易い言葉でご説明頂き、多くの参加者から好評の声が多く届きました。魅力的なテーマでもありましたので、現役学生はもちろん、多くのOBの方々にもご参加頂き、30名を超える活気のある会となりました。

   夏に行われました数学教育研究会同様に、Zoom を用いたオンライン形式の講演会は、遠方の方々の参加も可能となり、今回は遠くイギリスから参加して下さった方もおられました。
また、懇親会ですが、Spatial Chat というオンライン上の交流スペースを利用して行われ、オンラインながら、非常に自由な形での懇親会となりました。

   大橋さんを囲んで、個々にドリンクを片手に、語らい合う様子が見られ、ときには「今後、社会で要請される数学とは?」など、興味深い質問が出るなど有意義な会になったかと思います。

  今回、講演者の大橋さんのご厚意により、講演ファイルの掲載許可を頂きました。
  興味を持って聴講された方々や、当日残念ながら参加できなかった方々は、こちらよりDLして頂ければ幸いです。
 
立命館大学理工学部 数理科学科
                             渡部拓也
 
 
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会誌「すうぶつ」 No,21(2020年号)を発行しました。
12月29日より順次発送します。
 
主な記事
1.〈追悼〉岩根 友一郎氏(元副会長)を偲ぶ
2.会長就任にあたって 立命館大学数物会会長 高須 秀視
3.立命館大学数物会 第8回総会記録
 
 なお、今年は総会記事を広く会員全体に知っていただくために、住所の判明している方全員に発送しています。
 
Webページでも公開しています。
この画面の左側の【数物会会報すうぶつ】からお入りください。
 
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運営委員会を開催しました

2020年12月24日(木)
12月12日にZOOMを活用して運営委員会を開催しました。
主たる決定事項、検討事項は以下の通りです。

1.高須新会長の活動方針案を承認 詳細はこちら
2.運営委員の渡辺三彦様、平井敦彦様、関根忍様の三人の退任が承認された。
  特に渡辺様、平井様は数物会設立当初から運営委員を務められ、副会長も歴任されています。関根様も10年の長きにわたりご活躍願いました。長い間、本当にありがとうございました。
3.竹内靖雄様、中川悟様、原瀬晋様、浜野恭行様の4人の新運営委員就任が承認された。
4.事務局担当と名簿担当を一緒にして、名簿管理も事務局で将来的に管理できるようにする。
5.2021年3月の卒業式、学位授与式、数物会賞授与式はコロナ禍の為、どのような方式になるか不明だが、例年通りの準備を進める。職務内容と担当者を決定
6.新人歓迎会
例年行っている新人歓迎会が2020年度はコロナ禍で中止にした。
2021年度の歓迎会は2020年度の新人も含めて開催する。
7.各担当予算の申請内容の説明
    予算決定は次回4月の運営委員会で行う。
8.企画担当の新規事業案を承認する
    「数学・物理をめざしたきっかけや、どのようにして研究者の道へ進みようになったのか」をテーマに数理、物理の各先生方に寄稿をお願いし、数物webページに掲載して行く。
9.次回4月の運営委員会では、長期的視野で三年後の総会の準備を始める。内容・規模・会場などを検討する。
 
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第17回琵琶湖すうぶつゼミ

2020年11月27日(金)

日時:12月12日(土)16時半〜17時半
会場:Zoom オンライン形式
講師:大橋 弘樹 氏(日本マイクロソフト、'87物理卒)
演題:AI・量子コンピューター・暗号技術の基礎数学

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