9月21日(土)にBKCで登録団体「自然科学ゼミReMakers」の定例会の一環としまして、M2のOBを招いた講演会、および在学生とOBの交流会が開催されました。
参加人数は合計で20名ほどでした。
予定よりは少ないですが、突発的な企画だった割には盛り上がったのではないかと思います。
また来年も(今度はもっと早い段階から計画的に)開催しようと、考えています。
1人目の発表者の清水さんは、
物性物理とはどういう分野なのか、清水さんはどのようなことに興味を抱き、どういう研究をしているのかをお話してくれました。ご自身が理論系ですので、理論物理の観点からお話されています。
まず、量子力学をまだあまり知らない低回生にも伝わるように、前期量子論の話題から順を追って、わかりやすく量子力学の概要を説明しました。
その後は対称性やトポロジーのような概念が物性物理にどのように活かされているのかを噛み砕いて説明していました。
専門外の人にも伝わりやすくユーモアのある例えを交えながら発表されていて、とても盛り上がったと思います。
2人目の発表者の大石さんは
物性物理を実験で研究されている方です。
物性実験はどのような動機でやられていて、どんな手法が用いられているのかを専門外の人や低回生にも伝わるように発表内容を考えてくださりました。
特に、光散乱で得られるスペクトルの見方やそこから分かることを丁寧に説明してくださり、大石さんが所属する是枝研究室がどのような研究をしているのかをお話してくれました。
後半では、最近取り組んでいるテーマについて簡単にお話ししていました。研究テーマの見つけ方や取り組み方、勉強すべきことなどをご自身の経験から説明してくださったので、今後研究を始めることになる低回生にとって非常に参考になる発表になったと思います。
3人目の井嶋さんは、
4回生の頃に物理科の和田研(生物物理学研究室)に所属していた方で、現在は京都大学基礎物理学研究所で粉体の研究をされています。
井嶋さんは、まず粉体が持つ特性や、粉体について現時点で分かっていること、粉体を理解することの難しさをわかりやすく説明しました。
その後は4回生の頃から現在(M2)までに研究されたことを一通りお話してくださりました。
非常に高度な内容でしたが、井嶋さんの大変見やすいスライドと明敏な説明に、聴講者たちは目を奪われていました。
4人目の竹内さんは、
4回生の頃に物理科の菅原研(素粒子物理学研究室)に所属していた方で、現在は名古屋大学で量子力学基礎理論の研究をされています。
竹内さんは学部の頃から数理物理の手法で物理を理解しようと励まれていた方です。
本発表でも、不定内積空間と呼ばれる、数学上非常に扱いが難しい空間について紹介してくださいました。
この不定内積空間は場の量子論などで現れてしまうそうで、多くの数学者の頭を悩ませた問題を多く抱えているそうです。
物理系の学生にも重要な点が伝わるようにわかりやすく発表してくださりました。
数学を専門とする聴講者からは多くの質問がなされ、活発な議論がおこなわれた時間となりました。
その後は「自由発表」という時間を設け、3つの小教室に分かれて、数名の学生が自由に発表をおこないました。
近年の弾性体力学についてのお話(私M1)や、液晶の物理を実験で調べておられる方(M2)の研究について、Hodge分解(M1)、機械学習(M2)などがありました。
先程までの大教室での講演とは違い、発表の気軽さ、発表者と聴講者の距離の近さなどから、質疑は大変活発におこなわれていました。
その後、引き続いて懇親会を開催し、先ほどから続けての質疑応答や懇談で盛り上がりました。
世話人:吉田 圭介 修士1回生生物物理学研究室(和田研究室)